beyerdynamic DT770PRO Recable など


1800mAhの充電池を入手したおかげで、beyerdynamicのヘッドホンなんかでも外出時に持ち歩ける。でもそれにはあのカールコードがいかにも邪魔なので、リケーブルしてしまうことにした。ゼンハイザーと違い、ケーブルが着脱可能というわけではないので、ケーブルをヘッドホン本体近くで切って、中継コネクタを着けることにする。



秋葉で見つけたよさげなコネクタ、HIROSE HR10A-7J-4Sジャック。アンプに付けるレセプタクルはHR10A-7R-4S、対になるプラグはHR10A-7P-4Pでプッシュプルロック付き。


オヤイデがヘッドホンケーブルとして出しているアッセンブリ品では3Pのミニキャノンが使われている。金属とプラスティックのITTのミニキャノンプラグも買ってみたのだけど、処理できるケーブルの太さが細すぎて没。ヒロセのこのコネクタの方が若干太いケーブルまで対応できるし、小さいけれど本物の業務用で格好いい。定格は2A。写真の7J-4Sの方は端子がFなのでアンプ側に、7P-4Pの方は端子がMなのでヘッドホン側に使う。7R-4Sレセプタクルをアンプ本体に付けてしまえば、ヘッドホンをミニプラグなんかよりもずっと確実に接続できるし、アンプ次第でバランスドライブもできる。



リケーブル、できた。コネクタ部分はさすがにちょっとごろごろして、これがイヤホンだったらあり得ない構成だけど、ヘッドホンなのでほとんど問題ない範囲。DT770PROのカールコードは3芯、シールドなし。導体はポリウレタン銅線で、断線防止のナイロンファイバーと一緒に撚ってある。直流抵抗は1.4Ω/3m。
リケーブルに使ったケーブルは初めからステレオミニプラグが着いてて便利なので市販のインターコネクトケーブルを流用、MONSTER CABLEのiCable。白いプラグとナイロンスリーブがかっこいい。このiCableはインコネなのにシールドなし、4芯。シールドは音がおかしくなると思い込んでいるので、これは都合がいい。特にヘッドホンのケーブルみたいにインピーダンスの低い伝送系で飛び込みノイズを心配する理由もないし。直流抵抗は0.2Ω/1.5m。


リケーブル後の音は、変な癖がでることもなく、どちらかというとおとなしめのDT770PROに元気が出る方向だけど、純正と大きな差はないかも。短くまっすぐになって、使い勝手が向上したことの意味の方が大きい。



左が1800mAh充電池、右がMHPA-FET改とiPod Touch 1st 32GB。これらをきれいに積み重ねるため、ドックケーブルと電源ケーブルを作ります。



ドックケーブルは見た目に走って、海神無線で買ったきれいな青い布被覆の古そうなワイヤーを利用、Montroseというアメリカの会社の1950年代のニッケルメッキ銅縒り線。コネクタはマルツで売っている黒いやつ。今回はiPhone対応でアクセサリ識別抵抗は68kΩ。アクセサリ識別ピン#21を、#11と#30ではなく、#11と#16とに接続する流派もあるらしいけど、前回同様#11と#30とに接続。#1と#2とをまとめてオーディオGNDとしてしまうところも前回と一緒。
マルツのコネクタは、千石のコネクタよりも構造が複雑で、ドックケーブル工作は千石コネクタの方がやりやすい。あれで黒色があればうれしいんだが。



ドックケーブルできた。かっこいい。右側は、充電池とアンプとをつなぐケーブル、フッ素樹脂被覆金メッキ銅単線φ0.9mm。最初、すごく細い銅線を撚り合わせたゴム被覆のスピーカーケーブルで作ってみたのだけど、低音がぜんぜん出ずに、めりはりもない音で大失敗。スピーカーケーブルとしてはとても良かったのに不思議だ。
青いMontroseのワイヤー、変な音だったら悲しかったのだけど、中音域に張りが出てきて悪くない。よかった。



音質優先おでかけセットの完成。
電源の電圧が上がって、ソプラノなどで不安定になることなくヘッドホンでiPod聴けるのがうれしい。



アンプの中身はこれ。最初に作った際の、回路のGNDをOPアンプ1発のボルテージフォロワで、出力GNDをOPアンプ+FETプッシュプルでドライブする、という構成から、両方のGNDをまとめてOPアンプ+FETでドライブする、に変更してある。OPアンプはL/RがLT1469-2、GNDがOPA627。GNDのOPA627は鉄板として、L/RのOPアンプは試行錯誤中。ちょっとおとなしめのDT770PROには、LT1028よりもLT1469-2あたりの派手なやつが合っているかもしれない。