SONY DAS-703ES Op Amp Rolling

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最近のおもちゃ、ソニーDAS-703ES。1985年製、定価25万円。

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アルミの棒材が使われた筐体構造は一点ものの測定器のよう。

音質の評価はあまり高くはなく、実際CDP-101と聴き比べてもくぐもった元気のない音に聞こえる。

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opアンプはチャンネルあたり5個。
PCM53JP-Iの出力を受けるIVに1chが1つ、LF356。
LPFを構成するsimulated inductorに2chが3つ、JRC5532DD。
出力のプッシュプルFETのドライバーに2chの片チャン使いが1つ、M5240。

N5240はスルーレート40V/usという高性能品で、変な16ピンの2chパッケージしかないやつ。アナログボードのデュアルモノ構成を維持するために片チャン使いにしたのだと思われる。うーむ。

くぐもった変な音は、より後のCDP-777ESAあたりでも経験していて、主たる原因は束で使われてる5532。CDP-101のアクティブLPFはJRC4560なので、まだまともに鳴っているのだろう。5532は、回路に1個だけ使う分にはとてもいいんだけど...。

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都合10個のopアンプを全部ソケット化。

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変なパッケージのM5240のところは、1chのopアンプに変換するアダプタを作ってみた。LとRとで逆側を使ってるのがめんどくさい。

お正月をはさんでいろいろ焦がしたりしながら試した結果のラインナップはこんなん。
IV ... AD797
LPF ... AD827
Output ... AD8065
ちなみに焦がしたのは発振対策のつもりでLをかませてLPFに挿したLT1364。この部分、音質的にはとにかく速い石が、安定性的にはcapacitive loadに強い石が要るらしい。速さで投入したTHS4601も発振してしまって残念。
ちなみに5532を全部4560にすると、ボクシーな低音の、それでもちゃんと聴けるCDP-101風の音になる。

さあこれで幸せ、と思っていたところ、8065に絶対最大定格26.4Vをこえる29Vをかけてしまっていたことに気がついた orz

OutputステージもAD797にしてしまうとちょっと狂気が勝ちすぎる。OPA627だとぼくの趣味にはtoo much forgivingで、too much laid back。だいたい電源とかしっかりしていて、ほっといてもしっかり低音出るんだこの機械。やっぱりAD8065がいいバランス。

こんなのアナログ電源のツェナーのあたりの分圧抵抗変えれば楽勝じゃん!と調べてみたら、それではPCM53の動作電圧に足りない。出力opアンプのところだけ電源ラインにダイオードでもかまそうか、などとパターン図や回路図を眺める。

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5240だってFET入力なのにその前でソースフォロワで受けて、5240は非反転でゲインなし。プッシュプルFETの先、写ってないけどカップリングコンデンサがある。他にはポップノイズ対策とかいろいろ。
で、これ、実はopアンプいらないんじゃね、と気がついた。いまここ。opアンプ外して5240の非反転入力1番と出力7番とを短絡させればいい。

ソースフォロワ起因のDCオフセットが出る可能性があるけれどどうせコンデンサがある。
定電流負荷とはいえソースフォロワの非線形性で高調波歪率が0.2%くらいにはなるのかな。メーカー品としては、0.004%とかいう値をカタログに載せる必要があるのだろうけどぼく関係ない。メイクワンシィ。
どうしても気になるんだったら2段ともエミフォロにすれば少しはよくなるし。

というわけで、おうちに帰ったらopアンプのところ短絡させてみましょう。