CMoy (26) 3ch-A47-Cmoy


引越し荷物の中からガス式ハンダゴテの発掘に成功したのでちょっと工作。



引越し前、4ch構成。



引越し後、3ch構成。


4ch構成で市販されていたヘッドホンアンプでも結局3chに戻っていたりしているようで、司さんのところの4chアンプについての考察も参考に、とにかく今まできちんとした3ch構成で組んだことがなかったのでやってみた。


最初に、L/RにOPA2134で3chにOPA134というCMOYの教科書に載っているようなOPアンプを試したところ、持って回ったところのない元気がいい音が出てきて、かなりいい。L/RにOPA627x2、3chにもOPA627を載せてみたら、低音がガンガン出てくる勢いのある音で、ちょっとびっくりした。上の、引っ越し前の構成は、GND用にLT1010あたりを投入している本格派なのだけど、シンプルなOPA627x3の方がずっといい。


試しに3ch目をバイパスしてOPA627x2の普通のCMOYアンプにして聴いてみたところ、全然低音が出ていない。この工作の最初に聴いたのはこういう音のはずだけど、こんなもんだったのか...。この自作アンプを人に聴いてもらうと、多くの場合低音をイコライジングして持ち上げているのか、と質問される。低音でない、というのはGNDにアンプが入っていない多くのアンプで共通する特徴なのかもしれない。


肝はGND、3ch目だな、と、3chのOPA627にさらにOPA627をA47風に追加してみた。さらにさらに低音が出て、うれしい。勢い余ってL/Rの方にもOPA627を追加、都合OPA627x6個という構成にしたのが上の引っ越し後の写真。これはさすがにちょっとやり過ぎだったようで、心持ち低音が増えた反面、OPA627の暗黒面である籠りが気になるようになってしまった。



左がL/R用にスタックしたOPA627AUx4、右が3ch用のスタック、OPA627BPx2。


期待のLT1469は3chはもちろんL/Rでもなかなか安定しないのでこれは将来の課題として、LT1028を試してみた。バッファを含む全チャネルをLT1028、つまりLT1028x6にしてみたところ、低音の量感がかなり減る反面、にじみの少ないとても厳格な音。この状態でER-4Sあたりで聴いたらなにかの修行のような感じだろう。ただ、3ch目にLT1028というのは安定度という点では厳しいらしく、手持ちの半数以上のイヤホン/ヘッドホンで発振してしまう。この点で意外とタフなのがSCL5とかUM2。



安定性向上を狙って、L/RはLT1028x4のままで3ch目をOPA627x2にしてみた。
ESW10JPNやSE530でもかなり安定してきた。電源投入時に不安定になってもボリュームを回せば消える。音は、厳格さは後退するけれど低音の量感アップはあり、扱いやすさと聴きやすさと精確さがうまくバランスした気がする。



回路図はこう。ICの番号は、L/R用に2回路入りを、3ch用に1回路入りを使った場合で振ってある。この回路図の定数でOPA627x6ならかなり安定。図中の記載のようにIC1と2をLT1028にすると自作の実用レベルでは安定。
電源デカップルの電解コンデンサをGND用のアンプの出口の方に繋いでみたけれど、これは入口でもあまり変わりがないかもしれない。今度きちんと比較してみよう。回路図中のIC2、L/R用のバッファは、若干の低音増強効果は期待できるものの、出てくる音の大勢には影響が少ない。OPアンプの癖が強く出過ぎる場合もあり、安定性を欠く原因のひとつでもある。電源の負担にもなるので外した方がバランスはいいかもしれない。


結局4ch構成でいろいろやっていたのは回り道だったのかもしれないなー。MHPA-FET改も3ch構成にしてみるつもり。