CMoy (28) SHURE SE530 & LT1469-2
LT1469の位相補償なし高速版、LT1469-2をL/Rチャネルに入れてみた。それほど派手にではないけれど、よく出るパターンのボリュームを回すとがりがりいうタイプの発振が発生する。このOPアンプ、ある種の終点のようにも感じているので、こいつと、常用のSE530との組み合わせはなんとか鳴るようにしたい。入力部についてちょっとまじめに発振対策を入れようと思い、前に回路図を載せたCDP-XA5ESのヘッドホンアンプ部分を参考にすることにした。
Sony CDP-XA5ESのヘッドホンアンプ。OPアンプ1発の非反転増幅というところはCMoyと一緒。OPアンプはNJM4556。入力レベル確定用の抵抗は100kΩ。その後、シリーズで4.7kΩの抵抗が入り、非反転入力端子を10pFでGNDと繋いでいる。4.7kΩ+ボリュームの抵抗値と10pFとがLPFになっていて、カットオフは3~4MHz。
入力部発振対策入り3ch-CMoyはこんな感じ。22kΩでレベルを確定して、1.5kΩを経て50pFでGNDに落とす。カットオフは2~3MHz。この対策で、LT1469-2をL/Rチャネルに使っても、SHUREやWestoneで発振することはなくなったし、Super.fi 3でも問題ない。めでたい。
SE530 vs LT1469-2でちゃんと鳴るようになり、新ためてLT1469-2の低音番長ぶりに驚いた。LT1469もたいがい低音が出る方なのだけどさらにパワーアップして、Portaphileを電源電圧上げて聴いているかのよう。曲によってはもう下品。でもほとんどの曲ではSE530との組み合わせはとても快感で、発振しなくなってよかったよかった。OPA637の方がバランスがいいのは明らかだけど、自作なのだからメーカーでも狙える無難な音色を目指してもつまらんし。同じようにユニティゲインステーブル版と高速版とが用意されているOPA627/OPA637では、LTの場合とは逆に遅いOPA627の方が低音の量感がある。世の中いろいろ事情があるのだろうなー。
LT1469-2を得て本領発揮のSHURE SE530。そろそろ1年になるけれどまだケーブルの被覆割れは起きていない。イヤチップはERのスポンジ。純正のオリーブ(弾丸)やコンプライに比べて音がストレスなく出るように感じている。
この入力部発振対策がSuper.fi 3 Studio vs OPA637での派手な発振にも効果があるか、と期待したのだけど試してみたらやっぱりだめ。違うモードの発振らしい。前に据え置きのヘッドホンアンプを作ったときに、AKG K-501で寄生発振が発生した。いわゆるゾーベルと呼ばれている回路を追加したら発振が消えたので、次はこれを試してみよう。
バイポーラTORI型回路の据え置き型ヘッドホンアンプ。出力部の10Ω+1000pFがゾーベル。オシロ見ながら0.1uFから少しずつ容量を減らして1000pFに辿り着いた。容量が大きいと発振は確実に消えるけど、波形がかなりなまる。