CMoy (4) BlackGate登場


これまで使っていたニッケミの105度品 10V/220uFx4をBlackGate N 6.3V/220uFx4で置き換え、ついでにジャンク箱に発見したBlackGate NX 6.3V/47uFx4を基板裏面、OPアンプの電源端子直近と出力のGND直近の間につけてみた。NXの方は、+/-を逆に接続して並列にする、いわゆる超電解接続...



基板の表はこう。iPodの出力にでるDC電圧が十分小さい(<1mV)ので、入力カップリングに使っていた緑色のフィルムコンデンサは外して直結。出力にシリーズに入れていた10Ωの抵抗は、1Ωのものに変更。



裏はこう。だいぶ汚くなってきてしまった。



組んで音をだしてみた。
DCは、2mVと0.6mV程度でこれはOK。
SE530を代表とするある種のイヤホンで,ボリューム位置に依存しないバックグラウンドノイズが気になるようになってきた。これは出力抵抗を1Ωにしてしまった副作用だろうか。もちろん、もともと若干高すぎる11倍というゲインにも問題はある。
音は、多少鋭さがでてきたような気がするけれど、なんか荒っぽい。出力の抵抗値を下げすぎて、発振してるのだろうか。以前、据え置きのヘッドホンアンプを自作した際に、ここの抵抗値を下げすぎたところ、ある種のヘッドホン(AKG K-501とか)で発振させてしまったことがある。


いろいろぐぐって調べてみると、手持ちのイヤホンの中で割と気に入っているゼンハイザーCX500のインピーダンスが18Ωくらいであることもわかった。負荷が18Ωまで下がった状態で、現状の正負電源に440uFずつで低音を出そうとすると、やっぱり出力に10Ωくらいは入れておきたいところ。世の中には10Ωを切るようなイヤホンもあるみたいだし。



というわけで、帰還抵抗を10kΩから4.7kΩに変更してゲインを落とし、出力に入れる抵抗は10Ωに戻してみた。こんどは金皮ではなく捲き線。特に理由はない。



ポータブルアンプを使うようになってから、すっかりお気に入りになったSHURE SE530と一緒に記念撮影。
発振っぽい感じはなくなったし、SE530でのバックグラウンドノイズは全く気にならないレベルにまで落ちた。発振は、波形を確認したわけではないので、単に1Ωのときに使ったちょっと大きめの金皮抵抗と捲き線抵抗との音の違いだったのかもしれない。
新品のBlackGateにはきっとある程度エージングが必要なのだろうけど、さすがプラセボ効果か、現状でもちょっとPortaphileっぽい雰囲気になってきている。もうあと少し低音が出れば...。


そうこうバラしたり組んだりしているうちに、右チャンネルに断線発生。ろくにテスターで確認もせずに出力のヘッドホンジャックを交換して症状変わらず、涙。原因は、基板から出力を取り出すところのコネクタだった。圧着ペンチで力を入れすぎてしまってたらしい。



入力側のコネクタもついでに交換。電源のコネクタで使っていたJAEのIL-Gに統一して見栄えをきれいにしてみた。



さらについでに、これで最後のつもりの電源コンデンサ増強。もうBlackGate Nはないので、ニッケミの10V/220uFを4発、基板裏面に追加。



結局電源コンデンサの容量は、正負それぞれ970uF程度。18ΩのゼンハイザーCX500を繋いだ場合の電源回路による低域カットオフ周波数は、
f=1/(2*pi*R*C)=1/(2*3.14*((18+10)/2)*0.00097)=11.7(Hz)
となり合格ライン。
今回の工作は、特殊な部品を使わずにコンデンサ容量は最小限に、という高い志を持って臨んだものだったのに、終わってみたらこのていたらく。BlackGate超電解接続を投入した時点ではどめが外れてしまったんだな。そもそもこんなことになってしまったのは、BlackGate NXなんてものを使っているPortaPhile V2^2 Maxxed Outがいけない。



現在の回路図はこんな感じ。


音はもちろんいい。Portaphileと1対1で聴けばもちろん負けるけど、この差のために1/10の電池寿命を我慢するか、と言えば、「しない」と即答できるくらいいい。Portaphileに明らかに負けている面は、既に書いたAKG K-501などの本格的に鳴らしにくい、つまりインピーダンスが高くて能率も低く、高電圧ドライブを必要とするヘッドホン、をドライブする場合。Portaphileはかなり余裕でK-501を鳴らすけど、ぼくのCMoyでは音量があがると歪む。これは、内部のゲイン設定などとは無関係にとにかく歪む。同じ電源電圧のPortaphileとCMoyとで症状が違うので、電源レールにぶつかって歪んでいるのではなさそう。GNDに相当の物量を投入しているPortaphileと、抵抗で分圧しただけ、のCMoyとの差がこういうところにでているのかもしれない。


ともあれ、普通に聴いたときの音質はなかなかのもの。さらにエージングを続けて、SE530をどちらが楽しくならせるかPortaphileと勝負してやろう、と思い日々使い続けているところ。


はあ。おれはやったぜ。