CMoy (6) 3ch化
Portaphileのまねっこで投下したバイポーラタイプのBlackGateは効き目があったのかどうかわからない。微妙。Portaphileと一対一で比較すると、空気感というか鮮烈さというか、そのようなものが引き続きだいぶ足りない。ブラインドではないのでプラセボはもちろんきっとある。
Portaphileの特徴のひとつが、3chアンプである、ということである。これは、左右チャンネルの信号と同じアンプを出力GND信号にも持たせる、という構成のことで、自作、ガレージメーカー製を問わず、ヘッドホンアンプの回路としてはかなり普及しているらしい。たとえばこの3-channels cmoyの回路図あたり、コンセプトが分かりやすい。言ってみればバランスアンプで、コールド側の入力信号をGNDに落としたようなものか。同じアンプと言ってもゲインがかかっているわけではなく、GNDを入力とするボルテージフォロワ。仮想GNDにオープンループなバッファを挿入するヘッドホンアンプは以前からあったと思うけど、GND信号にも負帰還がかかるところが新しい。
QUAD34プリアンプの仮想GND。左上のTLE2071というのがOPアンプ、TIの071だが、オープンループで使われている。(←大間違い。GNDを経由して100%帰還がかかったボルテージフォロワだ。回路図の見方が短絡的で甘すぎ、涙。ああはずかし)ちなみに中央右下寄りのTLE2071はプリアウトのバッファアンプ。こっちは、8.2kΩと120pFのLPFが入ったボルテージフォロワ。
左右チャンネルの構成が、それぞれOPアンプ+BUF634が2発、というPortaphileでは、GNDにもBUF634がパラで入っている。すげー。電気食うわけだ。
CMOYのようにGNDレベルが4.7kΩというように大き目の抵抗による抵抗分圧で作られているだけの場合、3ch化することでGNDにも負帰還がかかり、出力GNDレベルの安定化に貢献することにはなると思う。巷には4chアンプというような構成もあるようなのだけど、出力GNDがどうせ1本になってしまうヘッドホンアンプにおいて、なにをどうやってるのか調査中。また3ch化してGND信号を作る際に、左右の信号出力アンプと同じように数Ωから数10Ωの出力抵抗を入れている場合もある。そこまであからさまに左右チャンネルに共通インピーダンスを持たせなくてもいいだろう、と思うけど、なんかの意図があるのかもしれない。
NiMH電池外から充電対策をして電池の持ちをあまり気にする必要もなくなったので、OPA134をちょこちょこっと追加して3ch化してみることにした。
回路図。
「output」より左側の部分は1ch分だけを表記。あからさまな共通インピーダンスは嫌だったのでGND用のOPA134には出力抵抗はなし。負帰還に入れた8.2kΩは上に載せたQUAD34のまねっこ。でも、手持ちの120pFが大きすぎて取り付けられなかった、という牛頭馬肉。ちょっと違うか。
音でた。
2ch状態と比べると、音色のダイナミックレンジ(なんだそれ)が広がった気がする。あくまで気がするだけだけど。それと、OPA134独特の、聞き易く耳あたりのよい音の感じが、150%ほどに増強されたような気もする。正確なプラセボだ。
もうすこしいろいろいじって、落ち着いたらアンプ基板だけ作り直そうと思う。コネクタにしておいた入出力や電源配線の本領発揮。