CMoy (18) OPA827やOPA211など


これまで、入力ジャックは金属製でケースと接続、出力ジャックはプラ製でケースと絶縁、となっていて、信号系GNDと出力GNDとは一応分離できていた。信号系GNDはOPアンプIC3の1回路目を使ったボルテージフォロワで、出力保護抵抗もなにもなしに使っているので、アンプのアルミのケースがそのままOPアンプの出力端子に直結している、というちょっといやな状態でもあった。


実際、IC3のOPアンプの種類によってはケースのネジの締め具合やケースの持ち具合によって動作が不安定になることがあって、特にAD8620。いろいろOPアンプを抜き差ししてみると、GNDチャネル用のIC3は高速で出力電流が取れること、が重要な条件らしく、まさにその条件にあてはまるAD8620が使えないのはくやしい。


そこで、入力ジャックをプラ製のものに変更して、基板をケースに止めているネジの部分から線を引っ張って、アンプ基板上の分圧しただけGNDに繋いでGNDをきちんとしてみた。結果、IC3にAD8620を使っても安定して動作して、これはOK、一件落着。

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DigiKeyから来ていたSOPのOPアンプ、OPA211、OPA827、AD8672、などをSOP→DIP変換基板に取り付けた。1回路OPアンプであるOPA211とOPA827はDIPの2回路に変換。アンプの基板上のコネクタやら電解コンデンサやらと干渉するので、変換基板をぎりぎりまで削ってしまった。



IC1とIC3に変換した1回路SOPx2を載せてみたところ。IC2やIC4のところは今回使った変換基板ではどう削ってもだめそうだ。



こうやってコネクタと電解コンデンサとをぎりぎり避けている。手前IC3がOPA211x2、奥IC1がOPA827x2。この組み合わせでの音はいまいちで、ぼやけてとらえどころのない音がする。逆に、OPA827をIC3に持ってきた方がまだましだけど、間接音とか余韻のようなものがよく出るOPA211と、OPA627譲りで音の密度感に優れるOPA827とでは、もともと音質がバッティングしてしまうのかもしれない。


いろいろとっかえひっかえ聴いてみたけれど、最近気に入って聴いていた、
L/R-1 ... LM4562
L/R-2 ... LT1364
Ch3/4 ... LT1364
Ch4-buffer ... C1400/A726
という組み合わせは実は既に相当高水準で、あえて変えるとすれば、L/R-1のLM4562をOPA827x2に変更してよりまとまりのいい音を狙う、と言ったところか。


Ch3/4をAD8620とすると、いいのだけど、曲によってはその高めの温度感がそぐわない。Ch3/4にOPA827を入れるとなぜかホワイトノイズが多めで、切れもAD8620やLT1364に劣る。Ch3/4に入れるOPアンプは、L/R-2と同様、LT1364にとどめを刺すのかもしれない。LT1364は独自の音色を持っていないような不思議なOPアンプで、組み合わせて使われるOPアンプの特徴を増幅する。気がする。


L/R-1をOPA211とすると余韻が豊富で音が空間が広がって面白い。リズムも速い。でもちょっとまとまりに欠けるし、曲によってはサラッと流れすぎる所が気になる。AD827は発振気味。OP275は何度聞いても曇っている。AD8672は歯切れがいい音で癖も少なく悪くない。ちょっと低音の量が少なめか、とは思う。LT1498はどこか荒っぽい雰囲気。低音の上の方で共鳴でもしているのか、だんごのような低音。OPA2227はまとまりが良くかなりいいし、LT1113はさらに突き詰めた感じがしてもう少しいい。でもそこまでの消費電流を許すなら、少しまとまりに欠ける面はあってもLM4562/LME49720のHiFiさは捨てがたい。OPA827によって、OPA2227とLM4562のいいとこ取りができるのではないか、と期待しているところ。


Ch4-bufferはC1400/A726のプッシュプルかC984のシングルが好み。C960はさすがに過激すぎてイヤホンで聞くのは疲れる。C984はとてもいいのだけど、常時20mAも流しているのに20mAまでしかsinkできない(あたりまえだけど)というところが電池には辛い。常時7mA流しているプッシュプルの方は、100mAまで流せるA726はともかく、Ic最大定格50mAというC1400が気になる。最大定格が200mAあるC943/A603あたりを使ったプッシュプルバッファも作ってみよう。