Sony CDP-XA5ESの話 (7) 電源


CDP-XA5ESの電源部↑
電源トランスの2次巻き線がこの基板に入り、整流、平滑、安定化されて出ていきます。手前半分が制御系の電源で、奥半分がDACを含むアナログ系の電源。


制御部拡大。

5220は出力電圧を負帰還制御するOPアンプ。K30Aは有名なFETだけど、ここではツェナー駆動のための定電流回路用。N25というのはヒューズみたいなものだと思う。左下、緑色のMUSE電解コンデンサの向こうに一部見えているのが7.5Vのツェナーダイオード


アナログ系電源の回路図(正側のみ)↓

整流平滑してできた17.6Vをもとに、7.5Vのツェナーを定電圧源として、電源制御トランジスタの出口を抵抗分圧してOPアンプ(M5220)で負帰還をかけ、11.6Vを得ている。+/-11.6Vというのはちょっと低めだけど、AD8065などの比較的新しい高速なOPアンプも使える電圧だ。
自作金田式風味バッファ基板は、設計時の電源電圧は+/-14〜15V、CDP-777ESA内で動作させていた際の電源は+/-13V強。+/-11.6Vでも動くとは思うのだけど、検証もめんどうくさいので電源電圧に手を入れることにします。


電源電圧の変更方法は、ツェナーを換える、をはじめとしていくつもあるし、電源にOPアンプで負帰還をかけるってどうなんだ、という気もしてしまうけど、まずは一番容易で確実な方法、上の図の青い字のように、抵抗分圧の片方の抵抗を1.2kΩから2.0kΩに変更することで、約14.2Vを得ることにします。


抵抗交換前。

赤赤赤金が2.2kΩ、茶赤赤金が1.2kΩ。


抵抗交換後。

赤黒黒茶茶が2.0kΩ。


無事に+/-14.2Vが出た。ふっふっふ。


この時点での電源の回路図を整理するとこう(改造電源一号)↓


トランジスタを負帰還ループから外してみると、こんな風(改造電源二号案)↓

上で交換した2.0kΩの抵抗が、トランジスタのエミッタに接続されているところをベースに接続すればいいだけ。ちょー簡単なのでそのうちやってみよう。


最終的にはOPアンプは使わずに行きたい。こんな風(改造電源三号案)↓

ずいぶんな変更量のように見えるけれど、実際には上の写真にもある2.2kΩと2.0kΩの抵抗器とOPアンプとを取り去り、OPアンプが入ってた穴に小信号トランジスタを2本差せばいいだけ。あ、それとツェナーダイオードの交換。


とりあえず改造電源一号の状態で、次は、いよいよ音出しです。