サンスイ AU-9500の話 (5)

秋葉に着いて、ニッケミKMHの在庫が豊富なガード下のお店に直行してみる。
うろうろ店先を見ていると、ちょうど見たような大きさ、そうこれはきっと径40mm長さ80mmに違いないコンデンサが目に入った。手に取ってみて見ると、ニチコンのGold Tuneという63V/10,000uF。
サイズといい、定格といい、まさにAU-9500のメイン平滑電解にもってこいだ。問題は、いままでのチェンジニアリングでニチコンの電解コンで良い音の経験をあまりしてないこと。選択肢があるならニッケミがいい。

店の親父に「径が35mm〜40mmで、長さが80mmで、耐圧が63V以上っていうとどんなのがあるだろう」などと聞きながら、35mm x 80mmであるはずのKMHの80V/6800uFがあるかどうか聞いてみた。たまたま在庫がなくて取り寄せになるらしい。80V/5600uFは?と聞くと、カタログには載ってるけど流通してないだろう、とか。なかなか難しい。

親父「オーディオでしょ?容量大きなこれの方が...」とか。うーん、長過ぎ。
KMHの63V/10,000uFが棚にあったのだけど、在庫は2本だけ。うまくいかないもんだ。

親父「サンスイの?」。へっ、なんでわかったんだ??「こないだサンスイのアンプに使うって人が来て、このサイズじゃなきゃだめなんだ!って言ってニチコンの63V/10,000uFを4本買ってった」とか。ひぃ。どいつもこいつも...。
ニチコン、あまり好きじゃないんだよなー」と粘ったけれど、「これつかって良くなった、って言ってたよ」だとか。うー。そこまで言われちゃしゃーないなー。サンスイと正解を出されてもいるし。

というわけで、ニチコンGold Tune 63V/10,000uF x 4本、捕獲。プリ部用は、結局KMHの160V/2,200uF、35mm x 80mm。



さっそくシャーシに取り付けてみた。写真の手前寄り、プリ部用電解コンデンサは、オリジナルの30mm径のコンデンサが取り付けられていた穴では取り付けられず、シャーシに2.5mmの穴を1個開けて取り付けた。コンデンサの左側、タッピングネジが覗いているのがそれ。
さぁ、交換するぞー!と意気込んで、余裕がなかったせいか、取り付け前のコンデンサの写真はなし。なむ。



せっかくのネジ端子型のコンデンサなので、Yラグを使って配線材と追加コンデンサを取り付け。パラに追加するのは、スプラグの500V/10uFの電解Cと、どこかの250V/0.1uFのフィルムC。プリ部用も、メイン用も一緒。



電解Cは、両面テープでシャーシにくっつけて余計な動きをしないようにしてみた。



ブリーダー抵抗も元通りに付けて、チェンジニアリング、完了。



もともとは高さ50mmの電解Cが付いていた場所に、ニッケミKMHを使いたいばかりに高さ80mmの電解Cを付けてしまったので、内部金属カバーの一部をハンドニブラーでくりぬくはめになった。


ちょっとした配線ミスでヒューズを飛ばしてしまったりしたけれど、一応無事に、音も出た。
エージングもなにもしてない状態でも、プラセボ効果では説明できないくらい音は変わった。今回は、明らかに良くなった、と思う。低音の、ボコボコして不自然な感じは、というか聞き慣れたオーディオの低音っぽくない感じは、今回のチェンジニアリングでかなりなくなった。多少包み込むような感じも出てきていると思う。高音は、ラインアンプ基板改修後のざらざらした感じがちょっと薄らいでいる、かも。

AU-9500がうちに来て、はじめて、聞いてて楽しい音が鳴りだした。うれしい。