サンスイ AU-9500の話 (3)


部品交換中、あと一息。

ORIGINAL - REPAIRED - NOW!

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2SK30 - 2SK30 - 2SK30
2SC1313 - 2SC1845 - 2SC1400
2SA726 - 2SA992 - 2SA726
2SA726 - 2SA992 - 2SA606 (プリアウト)
2SC634 - 2SC1815 - 2SC943

ほかに、セラコンをマイカに変えてしまったり、ブートストラップ用電解CをOSコンに変えてしまったり、といろいろ、結果オーライのチェンジニアリング魂全開。

前の修理時に全て交換されているようだけど、電解Cもあらかた交換。トーンコントロール回路から戻ってきたところのカップリングの電解C、2.2uFが、前回の修理でエルナーのシルミックというオーディオ用部品になっていたので、ここは汎用品に交換。
プリアウトのカップリングCが問題で、回路図上では47uFなのに4.7uFが入っている。webで拾える内部写真を見まわしても、どちらが正解なのかは微妙。今回は、最初の試聴で低音が出ていなかったこともあったので、回路図を尊重し47uFに。

ステレオモノラル切り替えなどの回路から戻ってきたところのカップリングCは0.22uFのフィルム。0.22uFで手持ちによさそうなのがなかったので、ここは0.47uFに変更。



出力段のエミフォロは2SA606に。Sマーク入り、通信機器用の規格品だ(たぶん意味ないけど)。



左端のジーメンス型積層フィルムCはラインアンプ基板入力部のカップリングC。もともと松下製と思われる0.47uFが付いていたのだけど、手持ちの都合で0.68uF。この銀色のフィルムコンデンサ、音いいと思う。2SA726は台北で大量に確保してきたGランク初期ロット品。躊躇なくがんがん投下できてうれしい。
こっちを向いてるA726の左が入力段の2SK30、右がトーンコントロール部に出力する2SC1400。



ステレオモノラル切り替え系からの戻りを受けるカップリングのフィルムC。



最後に出力のDCカットの電解C、47uFとミュート回路(かな)用の2SC943を付けてチェンジニアリング終了。


PowerBookに、記録用に撮っておいた画像とwebに載ってた内部写真とを表示させて、ラインアンプ基板パターン面への再配線にとりかかります。



やった。できた。線も余らなかった。



ラインアンプ基板は、このように筐体内にパターン面を上にして組み込まれます。この上に鉄板のカバーが乗り、その上にこの写真では外されているプリ・ドライバー段用電源基板が乗ります。
右下のコネクタはフォノEQ基板用。



プリ・ドライバー段用電源基板にもチェンジニアリングを施します。定電流源用に載せられていた2SC1815(オリジナルは2SC734)を2SC1400に。ドライバー段電源の制御トランジスタはオリジナルが2SC1124/2SA706であるところ、2SC4793/2SA1837に交換されていた。これはパワーアンプの出力Trに使ったことがあり、腰高であまり好みじゃなかった。2SC960/2SA607に交換。
電源基板の回路図は↓。




組み込み終えて、底面から見たところ。
白い四角いセメント抵抗は、パワーアンプのエミッタ抵抗、0.47Ω。これはそのうち福島双葉のものに変えてしまおう、と部品手配済み。


さて、無事に音、出ました。
高音曇って低音伸びずにボコボコ、という印象だったのが一変して、ちょっと粒状感のような感じが強いものの高音はきちんと抜けていて、低音も伸びている。低音は、どこか変な共鳴があるのかちょっと唐突だし、ラックスマンのような包み込む感じには乏しいのだけど、この後のドライバー段、出力Tr、メイン電源、のチェンジニアリングに期待しよう。