Sony CDP-XA5ESの話 (4) 観察

改造にさきだって、観察をつづけます。


アナログ出力部。

音声信号は赤と白のコネクタでRCAの固定出力へ。同じ信号が、コイルを経て黄色と黒のコネクタを通ってフロントパネルの10kΩの電動ボリュームに行き、この同じ基板のフロント側にあるヘッドホンアンプへ戻り、またフロントパネルのヘッドホンジャックへ。大忙しだ。


ヘッドホンアンプ部。

NJM4556が一発。最初のオーディオ用OPアンプであるRC4558の、JRCによる高出力電流版。Grado社のヘッドホンアンプなどにも使われてるポピュラーな選択。220uFの出力カップリングCで出力DCをカットしている。


アナログ出力アンプ全景。

電源基板で安定化された+/-11.6Vが、+/-それぞれSilmicの220uFでデカップリングされ、バスバーでアナログ出力段に供給される。


片チャンネルのOPアンプ。

三菱のFET2回路入りOPアンプM5238が1個、アナデバのFET2回路入りOPアンプAD712が1個、BBの1回路入りOP27が1個。
M5238の2回路は、差動のHot/Cold両方のI/V変換。変換抵抗は270Ω。AD712の1回路目は差動信号のシングルエンド信号への変換、2回路目がLPF。OP27はDCサーボ。
大きめの水色の0.1uFのフィルムコンデンサはバスバーに繋がってて電源デカップリング用。


DCサーボ部。

OP27と、2SK246というFETが併用されている。動作はよくわからない。OPアンプの右側に見える水色のコンデンサが、容量が2.2uFありDCサーボのメインのコンデンサ。OPアンプの左側のフィルムコンデンサの22倍の容量だ。種類はなんだろう。回路図をみると部品番号にSSって書いてあるけど積層セラミック?いやそれだったらSCか。


デジタル系の電源。

アナログアンプと同じ+/-11.6Vから、3端子レギュレータで所定の電圧、DACとクロック用の+5V、CXA8042用の+/-7V、が生成される。大量のnichicon MUSEは、ほとんどがCXA8042の電源端子用。


DAC部。

基板のパターン面に実装されているのが電圧出力DAC、CXD2562Q。CDP-777ESAではこれが2個載っていて、chあたり4パラ差動という物量作戦だったところ、ここでは1個。それでもchあたり2パラ差動。2パラ差動が2ch分で計8本の信号が、DACの上に取り囲むようにマウントしてある小さめの330Ωの抵抗を経由してCXA8042に入り、電流出力に変換される。

裏から。

小さいのはクロック生成用のIC。


デジフィル。

パターン面にはデジフィルのLSIもマウントされてる。CXD8504。


観察はこんなところでいいかな。
次は、8042周りと既存アナログ段の部品を外します。