Sony CDP-XA5ESの話 (6) 配線
自作金田式風味差動合成出力バッファ基板に必要な配線は、電源、差動入力、シングルエンド出力、の3つ。シングルエンド出力のグランドはCDP側には接続せずに、電源の配線でグランドを接続することにします。CDP-777ESAではシングルエンド出力を直接RCAコネクタにハンダ付けしていましたが、それでは当然ミュートなどは効かない。今回はきちんと信号を基板に戻して、そういう便利な機能はそのまま流用できるようにします。
シングルエンド出力の配線。
シルクでR427とあるのが元々の出力保護抵抗。赤い線が入っているところからすぐにRCAへのコネクタに行くので、CDプレーヤーの出力インピーダンスは自作バッファの出力保護抵抗の値、0.47Ωとなります。黒い線、グランドは、基板の電気的に接続されていないランドにハンダ付けしただけ。
差動入力の配線。
まずは、DACからの出力に入る保護抵抗330Ωを、もともとCXA8042が存在していなかったCDP-777ESAの場合に準じた値、6.8kΩに変更します。
DACのL1(+)とL2(-)を束ねてHOT側、L1(-)とL2(+)を束ねてCOLD側の信号を作ります。
右chの場合は、R1とR2。
1と2の(+)同士、(-)同士を束ねるのがピンの名前からは正しそうなのだけど、回路図をみてもパターンを追っても、さらに実際に聴いてみても、(+)と(-)を束ねる、が正しいらしい。(+)と(+)だと音が出ない。
差動のHOT信号とCOLD信号を外に引き出します。
ちょうどその信号が来ているCXA8042跡地を流用。
電源の配線。
電源デカップリング、Silmic 220uFのそばに細いドリルで穴を開け、レジストを剥がしてランドを作ります。
赤い矢印のところが作ったランド。グランドと正負電源が左右で都合6個。
電源配線を外に引き出します。
CXA8042用の電源である7807と7907に挟まれて窮屈だったクロック/DAC用の7805のまわりが空いてきたので、ヒートシンクを取りつけます。電源電圧を上げる予定なので念のため。ヒートシンクの左奥が引き出した電源配線。
仮組。
外してあったSilmicを付けて、DAC/アナログ段基板をCDプレーヤー内に戻し、バッファ基板を両面テープなどで仮装着してみます。
ここでは電源を入れてみたい衝動をぐっと押さえ、次は電源の改造です。CDP-XA5ESのアナログ電源電圧は+/-11.6V、自作バッファアンプの設計電源電圧は+/-14V。11.6Vでもなにがしかは動くと思うけど、動作点の設定に余裕がないはずだったので無茶はやめます。せっかくの最初に出てくる音が、電源電圧のせいでおかしかったりしたら悲しいし。