パドック・パドウク・PADAUK・PADOUK


HD650に、Headphileという会社が作っている木製ハウジングを付けてみた。



ケーブルはAPureSoundのV3。プラグはオヤイデ製のものに付け替えてある。


HeadphileでHD650用木製ハウジングを注文する際には、開口部の有無や大きさ、ハウジングの深さ、木材の材質、などを指定することになる。僕のは開口部なしのdeepでPadauk。


Headphileの木材選択ページではPaduakなどと表記されているのだけど、これはtypoアメリカの木材屋さんのローカルな表記かな。より一般的と思われるPadaukで、Wikipediaで調べてみた。
Pterocarpusという熱帯に生息するマメ科の木の中で、木材として適した一部の種に対する総称。Padoukと表記される場合もあるらしい。日本語ではパドックとかパドゥクとか。特徴は明るい赤い色、きれいな木目、頑丈さ、安定性。赤い色は可溶性で染料としても使われるらしい。
オーディオテクニカは、木製ハウジングのポータブルヘッドホンATH-ESW9にアフリカンパドックを使っているらしい。Headphileが使っているPadaukは東南アジア産と書いてあったのでおそらくBurma Padauk、学名でPterocarpus macrocarpusだと思われる。糖尿病に効く成分が含まれているらしい。


パドックで検索するとギターの材質について語っているサイトがいっぱい引っかかる。こことかこことかこことか。パドックは引き締まって立ち上がりのいい音らしい。比重が0.72とかなり重いけど、ブビンガ(これもHeadphileの選択枝にある)のように比重が1を越えるようなものもあるんだなー。ATH-W5000に使われている縞黒檀は、堅くて磨耗しにくいということでやはりギターにも使われている。僕が持っているATH-ESW10や、ATH-W1000などで使われていて、Headphileのリストにもある桜材はあまりギターには使われていないらしい。まあ楽器と再生機器では適不適に当然違いはあるのだろうし。


それなりのエージングが必要だろうけど、Padauk HD650のとりあえずの音は期待通り。音がより直接的になって、ボーカルが腑抜けて流れてしまっていたようなところでもっとしっかり聴かせる。オーケストラなどを再生する際の雰囲気感に役立っていたHD650の一歩引いたような感じはかなりなくなってしまうので、HD650の特徴を直線的に発展させているわけではない。そうか、ギターの材質かぁ、というプラセボのせいだろうけど、アコースティックギターの音はとてもすばらしい。


とにかく重くて首がこるのでいつまでこの状態で使い続けられるか疑問だけど、こういうアクセサリは本当に面白い。きっともっと軽いと思われる浅めのstandardタイプや、穴ありのバージョンにも興味がわいてきた。