CMoy (20) やっぱりクラスA動作か...


USBで006Pを充電するために作り始めたディスクリートのスイッチドキャパシタが一発では動いてくれなかったので、小さなアンプ2号、USB充電版は保留中。ひよってしまって、LT1054なるスイッチドキャパシタICも手配してしまっているので、ディスクリートでどうにもならなかったらこれを使おう。



LT1054。等価回路図をみると、やっぱりコンデンサトランジスタで挟んでいるので、考え方は合っているっぽい。トランジスタに制御信号いれるところに「DRIVE」とあるところが気になる、やっぱり4069UBの出力にバッファが必要なのか。4069Bに換えればOKなのかな。



さらに弱気になって手配してしまったコーセルのDDコンユニット。そこそこ小さいのでこれでもいいのかもしれない。


引き続き、小さなアンプ1号をいじります。


会社で、楽器もやっててアマオケの指揮もやったことがあって、テクニカのチタンボディのイヤホンとかを使ってるやつに小さなアンプ1号を聴いてもらった。問題は出力GNDバッファで、同じトランジスタ、2SC943/2SA603のプッシュプルでも、バイアスが20mAと55mAとではどう聴いても後者の音のほうがたたずまいが自然で低音もゆったりきれいに鳴る。プラセボ満載の僕ではあてにならないので、他人はどう聴くだろう、というのがポイント。


で、やっぱり55mA版の方がいいらしい。彼曰く、55mAにすると、もうAC3ソースとテクニカのイヤホンの能力を越えてる、とかなんとか。むーん。外から充電できるとはいえ、電池が2時間しかもたないのは使いづらいなー。

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気分を変えて、電子ブロックの作り方。


0) 道具

あると便利な道具はこんなところ。ハンダゴテは、単純なワット数よりも造り。チップ部分の熱容量とか、そういうことの方が大きく効いて、写真のは11Wだけどへたれな30Wよりもずっと使いやすい。古いトランジスタの足はハンダが乗りにくい場合が多いので、フラックスは必須。写真のペン型が使いやすい。


1-1) 抵抗を付ける

富士通製(!)のゲルマニウムトランジスタ、2SB60というのが4つあったので、2個使ってパラシングルA級の電子ブロックを作ってみる。Sというようなマークが当時の富士通のマーク。富士通製のトランジスタは、通信工業用と思われるとにかく高速性能命、というようなものばかりでオーディオに使えそうなのは少ない。これはIcは-50mA。ここにバイアスを-20mA流してみる。4,5Vに20mAなので電力消費は90mW。2SB60のPc定格が85mWなのでいい感じ。あ、小さなケースに詰め込むのだから、本当はだめか。
まずは、エミッタ端子、つまり出力端子から+電源にエミッタ抵抗220Ωをとりつける。パラシングルなので2本。


1-2) トランジスタの足を曲げる その1

ソケットとトランジスタをじっくり眺めて足を曲げます。


1-3) トランジスタを取り付ける その1

じっくりのんびりした気分で取り付けます。


1-4) トランジスタの足を曲げる その2

もう1個のトランジスタの足も曲げます。


1-5) トランジスタを取り付ける その2

取り付けた。背が高くなりすぎてしまって、小さなアンプ1号の上カバーに接触してしまうことが判明。涙。


1-6) やりなおし。抵抗を付ける

トランジスタをいったん外して、新しいソケットに抵抗を付ける。小さな抵抗の手持ちがなくなってしまった。熱に弱い(Tjが75度、とか)ゲルマニウムトランジスタだけど、手早くやってれば付けたり外したりを繰り返しても大丈夫。な場合もある。


1-7) トランジスタを付ける

今度は大丈夫そう。


2-1) 抵抗を付ける

そうか、とにかくバイアス電流を流せばいいのか、と、やけくそ版を作ることにした。トランジスタは、音もいいし500mAまで流せて、350mWまで耐えられる2SC984。エミッタ抵抗を50Ωとして、90mAほど流してみよう。適当な50Ωの抵抗がなかったので、一応1/2WとDigiKeyが言ってる小さな金皮の100Ωを2本パラにしてみる。


2-2) トランジスタの足を曲げる


2-3) 完成

左側。右側はバイアス20mA版。これだと2SC984の素性のよさは聴こえるけれど、かなり迫力不足。


こんな風にして、いろいろな電子ブロックを楽しく作れます。



これは、台北の光華商場でまとめ買いした2SC1124を使ったパラシングル。20mAx2。アンプのケースにぶつかるので、放熱器への取り付け部分は切り落としてしまった。2SC1124、手間のわりには音はいまひとつぱっとしない、涙。



L/Rチャネルの初段のお気に入りはOPA211で、これは21世紀になってから普及してきたSiGeという高速低電力を目指したゲルマニウム入りの新しいプロセスによるもの。せっかくなので、出力バッファにもゲルマニウムトランジスタを使いたいのだけど、なかなか決定版が見つからない。だいたいIcやPcのスペックが低いのが多いから難しい。
上段右端、富士通の2SB60x2は、音がdullでだめ。下段左のNEC製2SB163は、間接音満載のちょっと変わった音。下段中央のサンヨー製2SB492がもしかしたらいいかもしれない。シリコンだけど、下段右側の2SD78は、ちょっとつまらないかも。この中では上段左側の、2SC984に90mA流したものがぶっちぎりでいい。

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とにかく電流量が必要だ、ということのようなので、バッテリーを1個追加し、2個を並列接続で使ってみることにした。



かっこ、悪くない。



充電器にワニ口クリップ付きの線をハンダ付けしてしまい、このように充電。


上の写真は、SamsungのNV11という2年ほど前のコンパクトデジカメをISO800に設定して撮ってみた。画素数は1000万画素。このカメラは5倍ズームである上にマクロがとても強いので重宝しているのだけど、ISO400以上ではノイズがひどい。上の写真ではNoise Ninjaというフォトショッププラグインできる市販のノイズ除去ソフトを使っている。



Noise Ninja使用前(ピクセル等倍)。



Noise Ninja使用後(ピクセル等倍。Ninjaの設定はほぼデフォルト)。



Noise Ninja使用後(ピクセル等倍。輝度ノイズ除去パラメータ最大。これはやりすぎ)。

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バッテリー増設した「小さなアンプ1号」の記念撮影。



かっこいい。よしよし。