MHPA-FET (11) ATH-A2000X & LT1113


自宅のスピーカーはすっかり鳴りをひそめ、もっぱらイヤホンで音楽を聴いてきていたのだけど、最近はヘッドホン。少し進歩した。ソースはiPod TouchでアンプはMHPA-FETアクティブGND改造。で、HD650やDT770PRO、あるいはESW10JPNでは問題なかったのだけど、高域のレスポンスの強いA2000Xではある種のOPアンプで音が鋭すぎる。例えばAD797とか。


ものは試し、と、JFET入力のLT1113をL/Rに入れてみたらこれがいい。以前、悪くはないものの積極的に使う魅力はないか、ACスペックも低いし、と放置していたOPアンプなのだけど、A2000Xで聴くと自然でバランスが良くすばらしい。バランスがいい高品位な音という点では敵なしだと思っていたOPA637よりもいい感じで聴けてしまうのだからあきれる。


LT1113の主要スペックはこんな感じ。

  • SR ... 3.9V/us
  • GBW .. 5.6MHz
  • ts ... 5.2us @ 0.01%
  • Is ... 5.3mA/amp

OPA2227よりも遅めで、100%保証付きのノイズ特性以外にいいところを見つけるのが難しい。消費電流の多さがいい音の秘訣か、と思いたくなるスペックだ。


基本的には、イヤホンとヘッドホンにはどうしても基本性能の差があって、イヤホンでスポイルされてしまっている面をAD797やLT1469のようなOPアンプで補う必要がある、ということなのかな、と思っている。A2000Xでも、遅めのOPアンプなんでも来い、というわけではなくて、OP275は相変わらずいまひとつ。OP275入りのフォノEQアンプからすごい音が出る大規模なシステムを聴いたことがあるので、A2000X改をもってしても、まだ再生系のレスポンスが足りないのかも知れない。



LT1113(左奥)。放ってしまわないでよかった。


イヤホンの中でATH-A2000X改に一番音調やバランスが近いのはER-4P。この辺を聴きなれてしまうと、あんなに気に入って使っていたSHURE SE310やSE530や、あるいはTriple.fiあたりでも眠く聴こえてきてしまい、壊れてしまったのか、と勘違いしてしまう。耳が調教されてしまったのだな。いまひとつ面白みがないなと放ってある他のOPアンプ、LME49720あたりもまた試してみよう。