Buying Earphones in China


ここ1週間ほど中国広東省に出張中。広州市の海印電脳城というところに行って、ものは試しとイヤホンを買ってみた。


ビニール袋に無造作に丸まって入っていたり、透明プラスチックケースに入っていたりするイヤホンが、ガラスカウンター内にいっぱい並んでいるお店がたくさんある。イヤチップは、だいたい、いろいろな種類がインスタントコーヒーの瓶のようなものに詰め込まれていて、そこから付きそうなのを選ぶ仕組み。ゴネると他の店に飛んで行って探そうとしてくれる。運がよければ見つかるけれど、追加料金を取られるらしい。視聴はほんとにいくらでも可能。



どこから見てもSHURE SE310。約400元、おおよそ6000円。



おおざっぱに見るとSHURE SE102。約300元、おおよそ4500円。


それなりに試聴して確認して、うーん素晴らしい、私はなんて買い物上手!とその場では有頂天で、ホテルの部屋でじっくり聴いてみる。SE102風の方、おかしい。片側の位相が狂っているような、そもそもドライバーがぜんぜんなっていないような音。むー。見てみればプラグや分岐部のモールディングは雑だし、ケーブルもゴムゴムしていてなんだか臭い。きー。やられてしまったか...。


SE310風は、これは風を外していいだろう。SE310を700元で買ったと考えても日本で買う場合の半値以下だな。出張に持参していたSE530と聴き比べると、鳴り方のバランスや得手不得手は違うものの、質的には拮抗している。SHUREの中でSE310とSE530の2機種だけは低域増強の音響ポートが内蔵されている。SE530ではその効果か塊のような低音がゴリゴリと、精確なのかどうかは別としても、曲によってはATH-ESW10JPNあたりでは感じられないような凄味の感じられる音が出る。


一方SE530では高音域が割を食ってしまったかのように伸び切れていない点も感じられ、1ユニットで低音を含めて全帯域を鳴らしにかかっているSE310は、さらに何か副作用があるのではないか、と勝手に想像して積極的な興味を持っていなかったのだけど、うまく裏切られた。ポートによる低音増強は節度のあるもので低音の凄味はないけれど、SE530では聴くことの難しい高音域の張りと元気がある。


同行の若者も2個購入。100元のBOSE風はスカ。購入後あっと言う間に片チャンから音が出なくなったらしい。テクニカES3風は本物かな?ESW10と比べるとずいぶん装着感が悪いけど、これはもともとこんなものなのだろう。


各種イヤチップを持参し、冷静なこころを常に保てれば、工場からの本物の横流し品を中国で見つけることができるように思う。まあでも、SHUREの中の人たちに申し訳ない、というか、こういう流通を認めてしまっては日本が拠って立つべき産業構造の破壊に繋がるのだから、個人的には今後は自粛しよう。実際韓国あたりで、マイクロソフト任天堂ソニーやらの新製品の導入が見合わされたりしているのは、こういうような流通はいけないにだ、という意識が国家的に欠如しているせいだしなー。

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写真(↓)は広州市の隣の佛山市にある鴻運電脳城。広州の海印電脳城もだいたいこんな感じで、台湾の新竹のNOVAや、台北の光華商場もやっぱりこんな感じだ。そう言えば、韓国のソウル龍山区にある電子LAND地下一階も雰囲気似てる。あっちはパーツ屋主体だけど。




鴻運電脳城の向かいにある鴻苑という食堂に入って見た。


桂林米粉というものを頼んだ。6元。為替換算だと90円だけど缶ジュース価格参照購買力換算では240円くらいか。

ここ佛山では、どんな食事にでも必ずと言っていいほどピーナッツが付いてくる。