3ch CMoy 2号機 (5) 完成する


Triple.fiで発振していたように聴こえたのは、シャーシをちゃんと組んでアースを取っていなかったためと判明。Vishayの小型のP9ボリューム、10kΩAカーブの立ち上がりが急峻なのと、無音からの立ち上がりが左右で相当違うのをなんとかしようと、ボリュームにシリーズに10kΩを入れて、トータルゲインを1/2にしてみた。こういう時、帰還抵抗を小さくするのではなく抵抗分圧で入力信号を小さくしてしまう方が、音質的にも、OPアンプの選択肢を狭めないで済む点でも、いいのではないかと思っている。



回路図。
これで、だいぶ使いやすくなったのだけど、こんどはボリュームにバックラッシュがあることが判明したのでもうVishayはあきらめて、同サイズのアルプス製のものに交換してしまった。



外付けで電池ホルダーも付けて完成。OPアンプは、手前のがGND用のバッファ、次がGND用で、奥の2つがLとR。すべて1回路OPアンプで、この写真ではGNDがOPA627x2、LRがLT1469x2。GND用のOPアンプは、結局いろいろ試してもOPA627に戻って来てしまう。GNDバッファ用のOPアンプは差さなくても動作するけれど低音が薄くなる。ジャックはボリューム寄りのが入力、電源スイッチ寄りのが出力。



ケースからは、こんな風にすっぽりと中身が全部外れる。基板のパターン面側にもかなりの数の抵抗を実装したのだけど、2本を除いて1608のチップ部品を使ったので、一見すっきり見える。




ケースを組み上げるとこうなる。DURACELLの電池、かっこいい。電池を外すとDCジャックが現れるなんていうところ、ヨーロッパ的合理性の香りが漂うデザインだと自画自賛中。GNDのみA47の3ch、という回路で決め打ちできたため、1回路OPアンプ4つをソケットにすることで、OPアンプローリング遊びにはもってこいのアンプになった。外部電源で、しかもThinkpadの電源で使えるということも、案外ポイントが高い。



左下:CMoy初号機、左上:2号機。右下:MHPA-FET 3ch改造品、右上:Portaphile V2^2 DCジャック付け替え品。


他と比べて表現の幅が明らかに広いので、MHPA-FET改が一番性能がいいのだと思う。Portaphileはずんずんどこどこと迫力型で、勢いがある曲だけならこっち。両方ともIBMのACアダプターでも鳴るけれど、パイオニアDVD用に作った金田石満載無帰還型13V定電圧電源の方が開放的で高音がすっきり抜け切って再生される。きっと、IBMのアダプターのケーブルに付けられているフェライトを見たことからのプラセボだろう。
自作CMoyは2機種ともずっと神経質で細身の音。全般的にはもちろん2号機が勝っていて、初号機に分があるのはアルプスの(ポータブルアンプとしては)大きなボリュームを使っていることから来る安心感・安定感くらいか。


2号機、さっそく友人宛て納品しました。めでたしめでたし。