CMoy (2) 実装


今回のコンセプトはCmoyアンプを試してみよう、ということだから、回路はオリジナルに忠実に、部品も奇をてらわないのが基本。その中でボリュームだけはいいものを使って、一点豪華主義にしてみた。


前に秋葉で、そのうち小さなヘッドホンアンプを作ろう、と買って置いてあったケースを使います。ボリュームは10kのAカーブのアルプス製ミニデテント。ぎりぎり入りそう。ジャックや電源スイッチも手持ちの新品やらジャンクやらから選んで、

エイヤッで穴開けをして、はめてみた。


なんとかなりそう。ケース内側のネジのでっぱりやバリが電池を痛めそうなので、そこはヤスリをかけます。電源スイッチは2Pの1回路1接点のものでもいいのだけど手持ちがなく6P(2回路2接点?)で、電池の正側も負側も両方切れるようにしてみた。充電可能な電池を入れて、余った接点から線を外に伸ばせば外から充電可能になる、という野望も抱いている。



LEDは穴に糊で付けてしまいます。



すぐ隣の電源スイッチには正側負側両方来ているので、



LEDを光らせる回路はこの部分だけで完結できます。スイッチの余ってる端子が将来の充電用。



入出力端子とボリュームの配線をして、フロントパネルは完成。



前から見るとこう。ボリュームの回転止めのピンは短く削ってただの出っ張りくらいにしてしまい、フロントパネル裏側に浅く開けた穴にその出っ張りを落としているのでフロント側はすっきり。



裏から見るとこう。



手持ちの基板をノコギリで小さく切って、はめてみた。電源スイッチに連動してLEDが光る仕組みはフロントパネルで完結しているので、この状態でもちゃんと光る。



数時間紆余曲折して基板完成。右端に見えるピンヘッダは出力のLとRとGND。左奥、フィルムコンデンサに少し隠れているピンヘッダが入力のLとR、GND。オレンジ色のコネクタが電源。その電源コネクタの手前側、基板の各方面からジャンパやら抵抗やらが集まってきているところがGNDの集結地点。定数によって抵抗の種類が違っているけれど、これには意味がなく手持ちの在庫の都合。金メッキの透明被覆銅単線をジャンパーにしているのはきれいだから。



基板は、ボトムシャーシにスペーサを介してネジ2本で留めます。



フロントパネルを付けて、電源を接続したところ。



入出力線を接続して、電池をいれてみたところ。線だらけ。涙。



普通にいい音が素直にでた。うれしい。iPodの下はPortaphile V2^2。



オリジナルCMoyアンプが完成。


最近のメインのイヤホンであるSE530を繋いで聞いてみた。プラセボ効果から予想される通りの、iPod直差しとV2^2の中間の音。iPodの弱点(と思っている)の高音はV2^2には負けるけどかなり改善されている。空気感、のようなものが感じられる。一方低音は、iPod並みでV2^2ほどの迫力はなし。


SE530は、iPod直とV2^2との違いがもっとも顕著(もちろんV2^2で向上)なイヤホンだったのだけど、このオリジナルCMoyでもSE530の癖が目立たなくなり好ましくなる方向に変わっているので満足。低音は、やはり電源デカップリングCの増強かな。高音は、入力カップリングCをなくせばなにか変わるだろうか。自作なんだからこういうことをしないとね。iPodラインアウトのDCを測ってみると1mV以下だから、なんとかなりそうだ。


つづく。