Replug mod on Senn CX500 & SHURE SCL5


おおよそ趣味というものには、既知の成果に達して満足するのではなく、自力で新たな地平を切り開いてよしとする、という面がある。独自の境地というやつだ。趣味という活動には、独自の境地をシェアするあるいは競い合う、いわゆる同好の士とのコミュニケーション、も大事な側面であるから、趣味の世界には造語が多い。


オーディオ機器の「改造」はmod。
modding(やってるところー)、modded(やりおわったやつ)、mods(複数形)、などと活用する。
Power filter cap mod
電源平滑コンデンサの改造(交換)


pannyについては以前書いた。
Steve has finished the mods on my Panny.
ティーブは私のパナソニックへの一連の改造を完了した。
こういう場合のパナソニックは、十中八九DVDプレーヤーもしくはブルーレイレコーダであろう。


最近、特にヘッドホンアンプ関係ではrollingがおおはやり。
I have tried tube rolling.
おれは真空管をいろいろ替えてみたぜ!
opamp rolling、で、OPアンプ交換遊び。


ヘッドホン・イヤホンそのものについてはrecable。
There's lots of amps that will drive the HD650's. Source is more important though. You also need to recable them. Zu Mobius cables actually cost more than the headphones themselves, ...
HD650をドライブできそうなアンプはいくつもあるよな。でもソース機器はもっと重要だぜ。でもってリケーブルもしないとな。Zuメビウスケーブルはヘッドホンそのものより高価だけど...
リケーブル、つまり、ヘッドホンやイヤホンの接続コードを交換する、というのはHD650のバランス接続化を代表にずいぶん前からあって、ビジネスにもなっている。


今日の日記の表題は、ゼンハイザーCX500とシュアーSCL5におけるヘッドホンプラグの交換改造の件、となる。



ReplugしたSennheiser CX500(上)とSHURE SCL5(下)。CX500は同梱のダブルフランジ(L)、SCL5はコンプライのT-100。


recableが、シングルエンドをバランスにする、というような方式変更を含め、使用線材の変更による音質向上あるいは音質変化を目的としているのに対し、replugの目的は、断線の修理だったり、あるいは長すぎるケーブルの短縮だろう。今回は後者。特にCX500の場合、ケーブルの途中に見た目がとてもひ弱で、ちょっと触るとすぐに動いてしまう音量調整スライドがついていて、これをぜひとも除去したかった。



CX500のreplug後。replugして切り落としたImage X10のプラグを使い、ホットメルトですこし固めてまわりを熱収縮チューブでくるんでみた。安っぽいボリュームを排除できた精神的な満足度が高い。もともとケーブルがからみやすい素材だったため、短くなったことによる取り回し性向上もうれしい。このSennheiserのケーブルは細いのに凝っていて、ヘッドホンプラグからGND線がLR独立に伸びていて、都合4本のポリウレタン線から構成されている。X10でさえGNDはLR共通だったのに。



SCL5のreplug後。秋葉のオヤイデで売っていたノイトリックのプラグを使って、左右に分岐するすぐそばまで詰めてみた。ケーブルは、もともとがステージ用であるSCL5の位置づけからか、シールド線。銀色のシールド網線とからまるように、絶縁されていないGND線が2本引かれている。このGND線はリボン状で、ナイロンの糸を中心にくるくると巻いてある。。LとRの信号線はビニール被覆の撚り線。こっちも被覆内にナイロン糸。外側の透明ビニール被覆と内部のLとRのビニール被覆、いずれもとてもとても熱に弱いので作業時には注意。



左右が分岐するところには、2way用のネットワークらしいものが入っている。



大きなBAユニットと小さなBAユニットが入っているイヤホン本体。ケーブルの耳に回す部分に仕込まれている針金、針金を包む透明のビニールチューブ、が見える。


CX500はなかなか侮れない。ボリュームがついたままの状態、stock CX500であっても個人的にはMDR-EX700なんかよりもずっといい音。BA型の高級機と比べても、高域の開放感、伸び伸びした雰囲気、は明らかに優っていると感じるし、Super.fi 3 studioの作られた音場感ではない、本当の、ソースに入っているままの音場感が聴けると思う。低音の引き締まって暴力的に圧してくる感じは、さすがにWestone UM2やSHURE SCL5には及ばない。でも、CX300や400には付属していないダブルフランジイヤチップは、低音の再生に関してはきっとなかなかの実力者で、ちょっと興味があって5555で比較試聴したAKGのK340を軽く一蹴してしまった。