Klipsch Image X10 その後



iPodに繋ぐプラグを付け替えて100Ωの直列抵抗を仕込んだX10は快調である。もう少し抵抗値を大きく、つまりもう少し高音のレスポンスを強くした方がよかったか、と一瞬反省したけれど、今では100Ωで帯域バランスはちょうど良かったように感じている。この状態での低音のボリューム感は素のSE530よりも少し控え目で、HD650とほぼ同じ。


音質に関して、100Ω付きX10のSE530に対してのアドバンテージは高音の伸び。低音は、SE530の方がより弾んで曲によっては楽しいけれど、これは好みでどちらでも。ER-4Sに対してのアドバンテージはより上品でのびやかで開放的なところ。ER-4Sは、これも良し悪しではないけれどより分析的。HD650に対して音質上優れている点はさすがになかなか見当たらない。聴き当たらない。100Ωを付加したX10は、ちょうどHD650の音質上のサブセットのような印象。芯がしっかりしていながら柔らかい低音の出方などよく似ている。


X10の特徴として、カタログに、Tuned bass-reflex systemというものが挙げられている。名称から想像するに、1個しか搭載されていないBAユニットから聴感上十分な量の低音を得るために内部で低音域を共鳴させる仕組みだろう。同じようなものは、SHUREのSE310およびSE530にもTuned BassPortという名前で搭載されているらしい。なぜかSE420にはなし。X10を聞いてからSE530に切り替えると、X10では自然な感じでなっていた低音が、急に耳がつまってしまったような低音に感じる曲があるが、この類の共鳴システムの設計については、Klipschに一日の長があるのかもしれない。



イヤチップは今のお気に入りは、SHUREの、弾丸だとかオリーブだとか言われているフォームチップの小。ずっと、標準のシリコンの2段の大きい方を使っていたのだけど、素材が柔らかすぎるせいかどうもふとしたはずみでイヤチップと耳の穴との密着、シールと言うのかな、が破れて、音質が安定してくれないところが気になってきていた。特に周りがうるさい環境では、首をひねると「ゴォー!」って騒音が入ってきたりする。


SE530やER-4Sに比べて手軽に装着できるのもX10のいいところなのであまり大げさなイヤチップにはしたくないし、と妥協したのがこの弾丸の小。完全に密着させた2段シリコンと比べるとシール具合が甘いようにも感じるけれど、安定してるし格好も悪くない。


SE530の方は、弾丸の中、グレーシリコン、Etyの黒スポンジ、白3段、と試して今はまた最初の弾丸に戻ってきている。少しこもってしまう感じが増すのだけれど、これはこれでもとからSE530の特徴でもあるし、いいかな。白3段は、安定性、遮音性、低音の力強さ、などさすがに素晴らしいのだけれど、面倒なのと、中低音のどこかで帯域バランスが破たんしてしまっているような感じがしている。


そうこうしている間に、ヨドバシのポイントでUltimate ErasのSuper fi.3 studioなんてのにも手をだしてしまった。SHUREやKlipschあたりとはかなり性格が異なり、まだ把握し切れていないのでUEのお話はいずれまた。