Sony CDP-XA5ESの話 (12) 初段PNP化

今回の差動合成出力バッファでは、初段のトランジスタはNPNの2SC1400で、2個を貼り合わせて使っている。結局、DCオフセットがドリフトしまくりで調整し切れず、出力にカップリングCを入れてしまっているところに少し悔いが残っている。


ちょうど手元に、2SA884という6pin DIPパッケージのソニー製のデュアルトランジスタが2個あったので、これを使ったバッファも作ってみようか、と思う。正負逆になるだけだけど、念のため計算しなおしてみた↓

こんな風に書きなぐると、なんか手慣れた人が設計しているみたいな雰囲気が出る。


今回は、邪念が入っていじりすぎにならないように、トランジスタは直付けするつもり。初段のテールの定電流には2SA726、2段目のエミッタ接地には2SD414、出力段のエミッタフォロワには2SB548を使う予定。上ではツェナーになっているけど、定電流部の電圧源には、ツェナーではなくLEDを使うつもり。動いているかどうか、一目でわかって便利だし。


もともとの電流や動作点の設定時には、できるだけE6系列の抵抗で済ませよう、としていて、唯一E6でまかなえなかったのが2段目のエミッタに入る820Ω。これが一か所あるだけで、部品の手配がずいぶんと面倒になってしまった。初段の差動でそれぞれ6mAというのは、普通の感覚では流し過ぎだと思う。こういうところ、少ない方がいい、という流派や、がんがんチンチンになるくらい流す流派、などいろいろあるらしい。たくさん流れた方が非線形性が薄まるように思うので、今はたくさん流す派。