サンスイ AU-9500の話 (13)



webで見て、パワートランジスタがソケットで交換できることを知ったので、意を決して2SC1079/2SA679から2SD388/2SB541への交換をしてみることにした。


簡単に交換できそう、というのもモチベーションだけど、ちょっと音がボクシーかな、女性ボーカルが少し太すぎるかな、パワートランジスタを替えたら変わるかな、ということもある。



2SD388/2SB541はヤフオクで4ペアまとめて買っていたもの。hFEが揃っている、とされているのでそのまま測定せずに使ってみる。D388とB541とで、ちょっと時代が違うみたい。AU-9500ではネジ穴のところでコレクタ信号のコンタクトが取られているので、ヤスリで磨いて下処理をした。



交換はちょー簡単。もともとグリースは塗られていないのでそのまま。



交換終了。東芝のTrはかなり錆がでていたので、新品のアンプのようになって満足度高い。



外したトランジスタ。錆は出てもまだまだ元気なので大切にとっておこ。


一応DCバランスもチェックして(もちろんこの交換で変わるわけはなくOK)、バイアス電流の再調整を200mA、素子あたり100mAにした。これで冬場は適当にポカポカしてくる。夏になったら下げた方がいいかもしれない。


ずっーっと、もう何十年も寝ていたトランジスタの音を交換直後の状態で判断してもなんだけど、艶っぽい。今までの、小信号トランジスタやドライバー、電解コンデンサの変更では、低音や高音が伸びたり音に魂がこもってきたり、というような変化だったのだけど、今回のは音色が変わる。中高音の響きがきれいで艶っぽくて魅力的。こういった変化は、もしかしたらもっと聴きこんでみないと吉か凶かわからない気がするけれど、しばらくこれでいろいろ聴いてみよう、って思わせる説得力がある。


小信号や中出力のトランジスタを金田式のものに変えると、いままで経験した範囲では開放的になったり音に魂がこもってきたりという変化だったので、今回もそれを期待していたのだけど、思わぬ方向に裏切られた。おもしろい。